『東海道五拾三次』蒲原 夜之雪

2020年5月11日
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広重は風景を描くことを得意とした浮世絵師です。この『東海道五拾三次』は、江戸の日本橋から京都を結ぶ東海道の風景を描いたシリーズです。「蒲原」は静岡県の地名で、実際にはあたたかな地域ですが、これを雪景色として描いた点に広重の工夫が見られます。二人の人物はいかにも黙って歩いているようで、夜の静けさが伝わってきます。

広重は葛飾北斎(かつしか ほくさい)と並び、風景画の第一人者として有名な浮世絵師です。この『東海道五拾三次』は、江戸の日本橋から京都に至る東海道の宿場の風景を描いたシリーズで、広重の代表作です。広重は季節や時刻、天候の変化をきめ細やかに描き出しており、特に雨や雪の風景を描いた作品にすぐれたものがあります。「蒲原」は駿河国(するがのくに、現在の静岡県)の宿場で、実際には冬も温暖な地域ですが、広重は想像力を働かせ、しんとした雪景色として描きました。描かれているのは、雪が降り積もった夜の街道上を二人の人物が無言ですれ違う瞬間です。二人がお互いに顔を合わせず、背を向けて遠ざかってゆくようすは、ものさびしい雰囲気を高めています。

歌川広重 うたがわ ひろしげ
1797(寛政9)~1858(安政5)

『東海道五拾三次』蒲原 夜之雪

とうかいどうごじゅうさんつぎ かんばら よるのゆき

1833~36(天保4~7)年頃 木版(多色)

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